先日知り合いから、うなぎの蒲焼をいただいた。有名なお店から買ってきたらしく、とっても美味しいのよとお薦めしていた。丁重にお礼を言っていただいた。早速中身を確認して、うな丼にした時に家族人数分あったのでほっとした。しかしよく考えると母親がうな丼を食べている姿を見た事がないのに気付いた。家でうな丼がでる事もなかった。家族でうなぎ屋さんに行くこともなかった。もちろん、うなぎを食べたいなどという言葉も聞いた事がない。父親はうな丼が好きだと言っていた。一般的に、母親というものは自分が嫌いなものは食卓には出さない、と聞くが、もしかしたら食卓にうなぎがでてこなかったという事は母親は苦手なのかもしれない、と思った。早速、帰ってきた母親に聞いてみた。もしかしてうなぎを嫌いなのでは、と。答えは予想通りで、嫌いで口にできない、との事だった。今更聞いた母親の好みにびっくりした。そしてなぜ嫌いなのか聞いてみた。あの姿がどう見ても蛇に見えるらしく、蛇を食べている気分になるらしい。そして今まで一度も口にした事がないそうだ。母親以外の家族は皆、うなぎが大好きだ。家庭の食卓にあがってはこなかったが、何の抵抗もない。母親が一度も口にしたことがないと言うのなら、単なる食わず嫌いっだから、一口だけでも食べてみないかと説得してみた。母親は絶対食べなかった。食べれば美味しいのにとも思ったが、無理強いするのはやめた。ある日、うなぎの蒲焼を小さく刻んで、ちらし寿司の具として利用してみた。母親に黙って出したら、めずらしい味ねと言いながら、おいしそうにパクパク食べた。本当の事を話すべきだろうか。