我が家は家族全員うなぎが好きです。女性の方はグロテスクな外観や脂っこさが苦手な方も多いようですが、我が家はぜんぜん平気。5歳の娘も80歳のおばあちゃんも奪い合うように食べています。うなぎといっても我が家で食するものは、もっぱらスーパーでパックになって売っているもの。さすがに産地だけは国産の物を選んでいますが、育ちざかりの子供を持つ身、そんなに高いものを頻繁に買うわけにはいきません。うなぎはごちそう中のごちそうで、食卓にのると歓声があがるほどです。
スーパーのうなぎでも十分に満足しているのですが、実は私には家族に内緒にしている計画があります。今月のパートのお給料が入ったら本格的なうなぎ屋さんでうな重を食べようと思っているのです。一人で。本当はみんなで行きたいのですが、家族6人をご招待するほどの稼ぎはありません。だから一人で代表して一家の食卓を預かる者として本物のうな重の味を確かめたいのです。お昼時の混雑を避けて一人老舗のうなぎ屋さんの座敷席でうな重を注文する、想像しただけでふるえます。
本当のことをいうと、このうなぎ屋さん計画はパートを始めた2年前から毎月計画しているのです。でも、いまだ実行したことはありません。お給料がはいるまでは「今月こそ絶対にうな重を」と決意するのですが、いざお金を手にしてしまうとこれだけあれば全員でうなぎが食べられるなと思いなおしてしまい、スーパーのうなぎに手が伸びてしまいます。「お母さんのお給料日の日はうなぎが多いね」と素直に喜ぶ息子になんとなく後ろめたい気持ちになっている私がいます。